よく晴れた日のこと。
いつものようにポストから郵便物を取り出す「シエラ」。
そこには一通の豪華な封筒。
内容はなんと!
全国温泉巡りツアーご招待!
今までくじ引きもティッシュだったシエラはおおはしゃぎ。
しかも紹介元はプロンテラ城。
まるで夢のような出来事でした。
夢心地のままギルド『+Little Rose+』のメンバー
「ラピュル」と「ルフィス」に見せに行きました。
プロンテラ騎士団に所属しているルフィスは、これは本物だ、と更におおはしゃぎ。
人数制限はなかったので、二人を連れて、さっそく旅に出かけました。
旅に出た3人は、幾多の出会いや別れを繰り返し、やがて一つの真実にたどり着きます。
何も知らない3人は、どのようなクライマックスを見せるのでしょうか。
すべてが謎な温泉旅行。
今、幕を開けます。
昔、神と人間、そして魔族による戦争があった。
その長きにわたる聖戦の末、壊滅的な打撃を受けた3つの種族は滅亡を避けるために、
互いのひそやかな休息を得る事になった。
1000年の平和‥‥ 。
この長い休息によって得られた平和は、
ミッドガルド大陸で生活している人類から悲惨な戦争と、
過去に受けた傷を忘れさせてしまっていた。
彼らは過去の過ちを忘れ、己の欲望を満たすために自らの文明を発展させていった。
そしてある日、少しずつその平和のバランスが崩れる異常気象が、ミッドガルド大陸の所々で現れ始めた。
人間界と神界、魔界を隔離する魔壁から響いて来る轟音、凶暴化する野生動物、
頻繁に起こる地震と津波。そして、いつの頃からか広まっていった魔物たちの噂。
平和の気運が崩れて行く中、この世界の平和を支えているという”ユミルの爪角”の噂が、少しずつ冒険者たちを中心に広がって行く。
だが、人々はその本質を忘れ、それぞれの利益のため、その正体と富を求めて冒険へと旅出っていった‥‥。
過去の記憶を忘れて‥‥。